Memorandum 2014 Nr. 3

 

 

 


Über Österreich und Wien

 

 


Kurfürst

 


Teil 9

 

 


選帝侯 (第9回)

 

 

 

 

 

 

 


»Kurfürst Teil 8«
[Archiv / Memorandum 2014 Nr. 2]
より続く

 


Kurfürst とは
神聖 Roma 帝国に於いて 13 世紀以降
Roma ドイツ王を選出する独占的権利を認められた
人数の限定された帝国の有力諸侯団。
この Roma ドイツ王位は
神聖 Roma 帝国皇帝位と密接に結び付いている為に
実質的には神聖 Roma 帝国皇帝が
選帝諸侯団に選出されるという意味になる。

 

 1338 年 7 月 16 日付けの „Rhenser Weistum” (Rhens の知恵) では、Rhens に於ける選帝侯会議の結果が以下の様に定められている。

 


帝国の権利と古から守られている慣行に基づき
選帝侯全員により、又は意見不一致の場合にはその過半数によって
Roma ドイツ王に選出された者は
帝国の財産と権利の管理のため
又はその王位の受諾のためには
法王によるいかなる指名、承認、確認、同意又は権威をも
必要とはしない

 


 選帝諸侯によって帝国の支配者が選出されるという事が通常行われる様になって以来、原理上はどの帝国諸侯も王位及び帝位後継の候補者になる事が出来るという事になった。
そこで王位を求める者は、選帝諸侯によって Roma ドイツ王に選出された暁には、例えばその諸侯達への特権の授与を行うという約束によって、その票を手に入れるという事が行われるようになった。

 12 世紀末になると更に王の候補者となる為には、時には選帝諸侯に巨額な金銭を直接支払うという事が出来る能力が必要とされる時もあった。
これ等によって選帝諸侯が得て行く事になる侮れない程の大きな権力や、次第に与えられて行く事になった独立性によって、王位をその中心とする帝国権力の求心性は次第に薄れ、それがひいてはその後の 19 世紀に迄続く事になる、ドイツの領土の細分化を避けられないものにした。

 将来のこれ等の Roma ドイツ王選出に伴う諸侯の確執の争いや、それに伴う対立王の選出による混乱を防ぐ為に皇帝 Karl IV. (1316-1378) は、1354 年から 1356 年に掛けての Italia 遠征からの帰国後間も無く、Nürnberg に於いて臨時の帝国議会を招集した。
Karl IV. はこの自身による Italia 遠征途中の 1355 年 4 月 5 日に、Roma に於いて皇帝としての戴冠式を行っている。

 Karl IV. によって招集された帝国議会では、相変わらず Roma ドイツ王位を巡る権力闘争が絶える事の無い、帝国の政治構造を安定させる為の処方が諸侯に求められた。
皇帝と諸侯達は、王位の権力やその選出方法に関する明確な規則を定める事によって、この不安定さを取り除くという点では速やかに合意に達した。
Roma ドイツ王選出に対する法王の関与権を排除するという点に於いても問題無く合意できたが、それ以外の貨幣鋳造権、通行権、関税権等の、皇帝をその中心とする権力の強化に繋がる諸点に関しては、Karl IV. の意図した法制化は諸侯達によって阻まれた。

 Nürnberg の帝国議会で話し合われたこれ等の合意事項は、1356 年 1 月 10 日に同地に於いて公布された。Latin 語で記されたこれ等の条文には、Karl IV. による黄金の印章が付されている為に „Goldene Bulle” (金印勅書) と呼ばれている。
この条文の内容についてはその後更に Metz に於ける帝国議会に於いても協議され、Nürnberg で公布された内容を補完及び拡張する 8 条項が、同年 12 月 25 日に Metz に於いて公布された。

 この皇帝 Karl IV. による „Goldene Bulle” は、神聖 Roma 帝国に於ける全歴史を通して最も重要な憲章であり、それは 19 世紀になって Napoléon 戦争の結果 1806 年に、当時の皇帝 Franz II. (1768-1835) が退位を余儀なくされて帝国が崩壊する迄有効であり、帝国内の最高法規としての機能を保ち続けた。

 

 


„Rhenser Weistum”
の原文は省略
日本語訳は執筆者による

 

 


この先は次回
»Kurfürst Teil 10«
[Archiv / Memorandum 2014 Nr. 4]
へ続く

 

 


上部の写真:


1356 年に公布された
„Goldene Bulle”
に付された
印章の表面


Karl IV. の肖像が描かれている

直径約 6.4 cm

 

 

 

 

 

 

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