Musik 2014 Nr. 2

 

 

 


Ludwig van Beethoven

 

 


Klavierkonzerte

 


Teil 11

 

 

 

 

 

 

 


»Klavierkonzerte Teil 10«
[Archiv / Musik 2014 Nr. 1]
より続く

 


Beethoven による
5 曲の Klavierkonzerete の
作曲の経緯
について

 

 Ludwig van Beethoven (1770-1827) は 1798 年の Praha に於ける演奏会の為に、その時点で既に完成しており、恐らく 1795 年 3 月 29 日の Wien に於ける Beethoven にとって初めての公開の演奏会に於いて演奏されたであろうと推定されている、Konzert für Klavier und Orchester in B-dur (後に Nr. 2, op. 19 の番号が与えられる) の改訂作業に取り掛かり、この時に完成された改訂版がこの Konzert の最終稿として現在一般的に知られている。
B-dur の Konzert よりも遅れて完成した C-dur の Konzert もこの頃迄には完成し、この時の Praha に於ける別の演奏会で作曲者によって演奏されている。
Beethoven にとって 3 曲目となる c-moll の Konzert の為の草稿にも丁度この頃から着手されている。

 1800 年 4 月 2 日に Beethoven は、Wien の Burgtheater (宮廷劇場の一つ) に於いて初めて自身の主催による演奏会を催した。
その演奏会では Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791) の Symphonie (どの曲かは特定されていない)、Joseph Haydn (1732-1809) の Oratorium „Die Schöpfung” (天地創造) から 2 つの楽章と、Beethoven による Klavier の即興演奏、更に Beethoven の作品中から Septett in Es-dur für Klarinette, Horn, Fagott, Violine, Viola, Violoncello und Kontrabaß, op. 20、Symphonie in C-dur (Nr. 1, op. 21) と Klavierkonzert というこの時期の代表的な 3 つの作品が演奏された。
Symphonie in C-dur はこの演奏会が初演となる。

 この演奏会に於いて演奏されたと記録されている Klavierkonzert が、Beethoven の作品中のどの曲であったかに関しては以前より問題にされているが、確定は未だにされていない。
Beethoven にとって 3 作品目となる Konzert für Klavier und Orchester in c-moll の草稿は既にこの時期には着手されており、この 1800 年 4 月の演奏会にその完成を間に合わせようとしたかも知れないという事は大いにあり得るように考えられるが、この頃に書かれたこの Konzert の為の草稿自体は現在迄発見されていない。

 一方この Konzert の完成した自筆の総譜に書かれた日付が 1800 年と読めるように見える事から、1800 年 4 月に演奏されたのは c-moll の Konzert ではないかと以前から考えられて来たが、改めて詳細にその自筆総譜が調べられた結果、その最後の数字の 0 は不明瞭に書かれてインクの色褪せた 3 ではないかという問題提起が行われている。
現在記録に残されていて明らかになっているこの Konzert の最初の公開演奏が 1803 年であるという点からも、この推測には注意が払われるべきであるように思われる。

 この 4 月 2 日の演奏会の直前に Beethoven は、1795 年に初演された可能性があり、もしそうで無かったとしても遅くとも 1798 年迄には完成していて、その年に Praha に於いて Beethoven 自身によって演奏されたという記録の残されている、Konzert für Klavier und Orchester in C-dur の総譜を新しく書き直している事から、この演奏会で演奏された Konzert はこちらの方ではないかという推測の方がより確からしく思われる。

 この 1800 年に Beethoven によって新しく書き直された総譜には少なからぬ変更が加えられており、この Konzert も初稿から最終稿に至る迄には広範囲な改訂の手が加えられており、他の Konzert と同様その作品の完成迄の過程は長く複雑なものであった事が分かる。

 この演奏会に於ける Konzert für Klavier und Orchester の演奏は、Beethoven の作品の高い質と同時にそれが持つ新しさにも関わらず、不満の残るものであった。
この時代の最も知られた音楽専門雑誌であった „Allgemeine musikalische Zeitung” のこの演奏に関する批評の中には、以下の様な記述が見られる。

 


Orchester が伴奏する時
その奏者達は独奏者に如何なる注意も払わなかった
その結果その伴奏は全く繊細さが欠けるものとなり
独奏者の音楽的な感覚への反応というものが見られなかった

 


 この演奏会に対する Beethoven 自身の言及の記録は残されていない。

 

 


Allgemeine musikalische Zeitung
による
批評の原文は省略
日本語訳は執筆者による

 

 


この先は次回
»Klavierkonzerte Teil 12«
[Archiv / Musik 2014 Nr. 3]
へ続く

 

 


上部の写真:


Beethoven が
1800 年に初めて
自身の主催による演奏会を開いた
Wien の旧 Burgtheater

 

 

 

 

 

 

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