Musik 2014 Nr. 7

 

 

 


Ludwig van Beethoven

 

 


Klavierkonzerte

 


Teil 16

 

 

 

 

 

 

 


»Klavierkonzerte Teil 15«
[Archiv / Musik 2014 Nr. 6]
より続く

 


Beethoven による
5 曲の Klavierkonzerete の
作曲の経緯
について

 

 Ludwig van Beethoven (1770-1827) による 4 作目の Konzert für Klavier und Orchester in G-dur が、Wien の Lobkowitz 侯爵邸に於ける半私的演奏会で初演された翌年の 1808 年には、Wien で開催された合計 7 回の演奏会で、以下の様な Beethoven による作品が演奏された事が明らかとなっている。

 

 
Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 in C-dur, op. 15
Symphonie Nr. 1 in C-dur, op. 21
Symphonie Nr. 2 in D-dur, op. 36
Symphonie Nr. 3 in Es-dur, op. 55 „Sinfonia Eroica”
Konzert für Klavier, Violine, Violoncello und Orchester in C-dur, op. 56
 (Tripelkonzert)
Ouvertüre zu „Coriolan” in c-moll, op. 62
Messe in C-Dur, op. 86

 

 これ等の曲が演奏された 「音楽愛好家の為の演奏会」 の他に、Beethoven はその年の 4 月 13 日と 11 月 15 日の 2 回の慈善演奏会に於いて、Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 in c-moll, op. 37 及び Symphonie Nr. 4 in B-dur, op. 60 や Ouvertüre zu „Coriolan“ op. 62 等を含む自作品を指揮して登場している。

 これ等の数多くの演奏会に続いて同年 12 月 22 日には、当時 Wien の 2 つの宮廷劇場及び Theater an der Wien の劇場監督であった Joseph Hartl Edler von Luchsenstein (1760-1822) によって、Beethoven 自身の利益の為の演奏会を Theater an der Wien に於いて開催する事が許可された。
同年 12 月 17 日付けの Wiener Zeitung (Wien新聞) には、以下の様なこの演奏会の予告が掲載されている。

 

 
音楽 Akademie
12 月 22 日木曜日に Ludwig van Beethoven は、帝室王室勅許 Theater an der Wien に於いて音楽 Akademie を開催する名誉を得るであろう。
全ての作品は彼の作曲による全く新しいもので、未だ公には演奏されていない。
演奏される曲目は以下の通り。

 
第 1 部

 
1. 「田舎での暮らしの想い出」 という標題を持つ交響曲 in F-dur (Nr. 5)
2. Arie
3. Latin 語の歌詞による教会様式で書かれた合唱と独唱を含む賛歌
4. 作曲者自身によって演奏される Klavierkonzert

 
第 2 部 

 
1. 大交響曲 in c-moll (Nr. 6)
2. Latin 語の歌詞による教会様式で書かれた合唱と独唱を含む聖歌
3. Klavier の独奏による幻想曲
4. Klavier による幻想曲、徐々に Orchester がそれに入って来て最期には Finale として
  合唱も加わって終わる

 
Box 席及び予約席は Krügerstraße 1074 番地の 1 階に於いて入手出来る。
開演は 6 時 30 分。

 


 この演奏会の為に予告されまた実際に演奏された曲の内、先ず第 1 部と第 2 部でそれぞれ最初に演奏されている Symphonie は、当時は演奏順に Nr. 5 と Nr. 6 という番号になっているが、後にこの番号付けの順序は入れ替えられ、c-moll の Symphonie が Nr. 5 (op. 67)、 „Pastoral-Symphonie” in F-dur が Nr. 6 (op. 68) とされている。

 第 1 部 2 曲目の Arie としては „Ah! Perfido”, Szene und Arie, op. 65 が、Beethoven の Oper „Leonore” の第 1 稿及び第 2 稿の初演で Leonore 役を歌い、今回の Akademie にも出演が予定されていたがそれを取り消した Pauline Anna Milder (1785-1838) の代役として、Maria Josepha Killitschky (1790-1880) によって歌われた。
彼女は Wien の宮廷楽長の Antonio Salieri (1750-1825) から声楽の教えを受け、この演奏会が公開 début となった。

 第 1 部 3 曲目の 「讃歌」 としては、前年に初演された Messe in C-Dur, op. 86 より 2 曲目の „Gloria” が演奏された。
それに次いで演奏された Klavierkonzert は、同じく前年に半私的演奏会に於いて初演された Konzert für Klavier und Orchester in G-dur (Nr. 4, op. 58) で、この演奏会が公開初演となる。

 第 2 部 2 曲目の 「聖歌」 とは第 1 部の 「賛歌」 と同じく、Messe in C-Dur の第 4 曲 „Sanctus” から „Benedictus” が演奏された。
それに次ぐ Klavier の独走による幻想曲とは、Beethoven の Klavier による即興演奏の事を意味している。

 この Akademie で最期に演奏された、Orchester と後に合唱が次第に加わる Klavier による幻想曲とは、Fantasie in c-moll für Klavier, Chor und Orchester („Chorfantasie”, op. 80) の事で、この曲の独奏 Klavier 声部も Beethoven が演奏した。

 この演奏会で演奏されたこれ等の曲の内、Symphonie in c-moll (Nr. 5, op. 67)、Symphonie in F-dur „Pastoral-Symphonie“ (Nr. 6, op. 68) 及び „Chorfantasie“ (op. 80) の 3 曲はこの演奏会が初演、並びに Konzert für Klavier und Orchester in G-dur (Nr. 4, op. 58) は今回の演奏が公開初演となる。

 

 


Wiener Zeitung
の原文は省略
日本語訳は執筆者による

 

 


この先は次回
»Klavierkonzerte Teil 17«
[Archiv / Musik 2014 Nr. 8]
へ続く

 

 


上部の写真:


Theater an der Wien


Austria の画家
Eduard Gurk (1801–1841)
の絵画を基に
Austria の版画家
Johann Wenzel Zinke (1797–1858) が製作した
彩色銅版画

1830 年頃の制作

 

 

 

 

 

 

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